坂下さんが暮らす小林市は、南西部には霧島連山が、北部には九州山地の山岳が連なる“湧水のまち”。名水に恵まれ、牛や果物の名産地でもある。「牛養いに必要なのは知識と情報」と話す、坂下さん。農家の指導員をしていた農協職員時代のネットワークを活かし、有力な情報や優秀な人材に日々アンテナを張る。
このまちでは事業家気質の農家たちが、ときに競い合い、ときに一致団結して、“小林ブランド”を育てていた。
おいしそうに水を飲む、坂下家の牛たち。「イイ牛は、良質な水と風通しの良い牛舎で育つ」と、坂下さん。
「毎日、自然に目に入る」という雄大な霧島連山を眺めて。宮崎県の品評会で一等賞の牛を出荷したときは、農家仲間を呼んで大宴会を開いたそう。坂下さんの紹介で、まちの人たちに会いに行った。