銀行員から脱サラして、牛養いになった星川家の主・嘉宏さん。
「どんな仕事でも、1年やって覚えないやつは、10年やっても覚えない」という考えのもと、広い視野で働くため、社会経験を積むために、外の世界を見てからこの世界に入った。ビジネスとして冷静な目で牛を観察するからこそ、安定した暮らしを牛に提供している。
嘉宏さんと共に働く奥さまの勝代さんは、少女のように笑う可愛らしい女性。力仕事は嘉宏さん、細やかなサポートは勝代さんと、サラリーマン時代と変わらないスタイルで、支え合っていた。
元は交通指導員だったという勝代さん。出会いは、嘉宏さんがサラリーマン時代のころ。通勤途中にある横断歩道で誘導する勝代さんに、嘉宏さんが一目惚れした。
「主人の好きなところは、優しくて、男らしいところ」と、勝代さん。対する嘉宏さんは、最後まで照れて教えてくれなかったけれど、ふたりの幸せそうなこの笑顔が仲の良さを物語っている。
嫁入り当初は魚も捌けなかったという勝代さんだが、今では10kgほどもあるバケツを抱えて牛の餌やりをするほどに。それでも「いつもずっと一緒にいられるから、サラリーマン時代よりも家族にとっては幸せ」と、勝代さん。そんなふたりを眺める、仲睦まじく寄り添う牛たち。牛も飼い主に似るのかな?!